カエルを熱湯に放り込みます。すると、カエルはびっくりして飛び出します。

では、カエルを水に入れ、その水を加熱していくとどうなるでしょうか。

カエルは変温動物なので、周囲の温度に合わせて自らの体温も変化していきます。水の温度を徐々に上げていくと、最初はあったかくて気持ちいいなと思っていたカエルも、いつの間にか周囲が熱湯になっていることに気づかず、そのまま死んでしまうのです。

中学校時代に、学年主任の先生が学年集会で話してくれた内容です。調べてみると、ゆでガエル理論というらしいです。

実際のところ、カエルが入っている水を加熱していくと、カエルは我慢できなくなり、逃げ出すそうです。なので、この理論は嘘ということになりますが、周囲の状況の変化に気づかないと大変なことになるということをわかりやすく例えてくれる寓話として有名です。

生徒は、同じメンバーで、同じ習慣の中で過ごしています。

これくらいいいやというダラッとした雰囲気になっていたり、誰かを傷つけてしまう言動をしていたり。

担任として、これは放置できないという状況にもよく出くわします。

しかし、いつも同じ空間、同じメンバーで過ごしていれば、クラス全体が、気づかないうちに良くない雰囲気に流されてしまうこともあり得ることです。

勢いでクラスに話をしても、生徒に「先生はそう思うかもしれないけど、俺はそう思わない」と受け取られたら、なんともむなしい結果です。生徒は、「何を」ではなく「誰から」言われるということに敏感ですので、日ごろからの関係づくりが何より大事なのですが。

中学校は教科担当制なので、いろんな先生が関わってくれます。担任の前では起こらない出来事を、教科の先生がキャッチしてくれることがよくあります。

担任一人では説得力がない、というときは、教科の先生から情報を集め、教科の先生の視点を使わせてもらうのがいいと思います。

最近、こんなことでよく注意されていないか?と問いかけ、水の温度が上がってきているぞ、このままでは誰かが傷つくことになるぞと注意喚起に使えそうな素材です。